インタビュー

ご縁

  1. HOME
  2. インタビュー
  3. お仏壇のある生活 「家族をつなぐ心の拠り所!」

尾鼻文子さん 康子さん 秀人さん

お仏壇のある生活 「家族をつなぐ心の拠り所!」

綾川町のご門徒さん宅にお邪魔して、「お仏壇のある生活」についてうかがいました。(文子さんのご主人 正敏さんの月忌参りで毎月お伺いしています)
尾鼻様のお宅を訪ねると、文子さん、娘さんの康子さん、お孫さんの秀人さんが優しく出迎えてくれました。案内された和室には立派な仏壇があり、脇には亡くなられてもうすぐ3年を迎えられる文子さんのご主人正敏さんの笑顔に満ちた写真が飾られています。
🙏お仏壇がいつも綺麗で季節に合わせたお供えがされていますが、どなたがされていますか?
お母さん(文子さん)がお仏壇の掃除やお花・毎日のお水替え、娘さんがお供えの手配をされているそうです。
→季節のお供えは
娘さん 「5月は節句、6月は抹茶と季節に因んだお供えをするのは、仏さんに季節の
ものを見て欲しいという思いからで、その後にお供えを家族でいただきます。」
「父(正敏さん)が孫に色々なことを伝えたい思いから季節の行事は大切にして
いました。その父が伝えてくれた思の一つが、季節のお供えになっています」
節分には父(正敏さん)が鬼の面を被って豆まきをされていたそうです。
厳しい正敏さんが鬼の面を被るとはビックリ!お茶目な正敏さんの姿想像つきません。 (笑)

→ お仏壇がいつも綺麗なのは
娘さん 「床の間は、仏さんが帰ってきて座る場所だから綺麗にしておくと、おじいさん
(正敏さんのお父さん)から教えられました」
いろいろなことが教えられ受け継がれ、今もそれが生きている。核家族がすすむ社会の中で、すごく大切なことをお聞きしました。
あと、「物を整理するのは物には住所がある、使った後物を住所に戻すとみんなが使うくときに困らない」と娘さん言われ、これも父の後ろ姿を見て備わったことのようです。
いつも同じような乾物ものお供えをする私、整理整頓が苦手は私には、学校の先生に教えられた思いで聞いてしまいました。
🙏尾鼻さんご家族とお寺とのご縁が深くなったのは、2年前に亡くなられたご主人 正敏さんの葬儀からですが、奥さん・娘さん・お孫さんが正敏さんから受け継がれているものがあるように思います。
 この正敏さんへの思いはいかがですか
→ 文子さん
主人は頑固でしたが、間違った事が嫌いで慎重に物事を考える人でした。
別離して色々な思いが沢山ありました。50数年を共にして楽しかった事や辛かった事がありましたが全部含めて幸せ感謝です。
自分はできる事が少なかったので日々学ぶ事ばかりでした。主人は先見の目が鋭く、物事を先々考えて動いていたのでその時は苦しくても長い目で見たら良かったなと思う事が沢山あり助けられました。
→ 娘さん
父とは性格が似ていて、よくぶつかりました。あまり出来のいい娘ではなかったので、親孝行ができたのか心配です。今は教わったことを思い出しながら、父ならどうするだろう?と自問自答しています。一番嬉しかったことは晩年になって頼ってきてくれたことです。
尾鼻家は季節の行事や誕生日に家族で集まる習慣があります。お正月・お盆はもちろん、節分・お彼岸や父の日・母の日など、みんなで食事をしながらその時々を楽しみます。節分の鬼の役目を自分から買って出るお茶目な父、この季節になると土用の丑の日の鰻を楽しみにしていたのを思い出します。
→ お孫さん
小中学校までは頑固で嫌いなおじいちゃんで、手伝いも嫌々やっていました。 高校生になるとおじいちゃんも丸くなってきて力も自分の方が強くなって来たので指示をしてもらって作業するようになりました。その頃から自分の中では師匠と弟子のような関係に感じていました。
今でも、頑固でしたが芯の通った生き方をしたおじいちゃんはかっこいいと思います。また、お葬式の時や亡くなってから気付いたのが人望の厚さでした。一匹狼かと思っていましたが、おじいちゃんは縁の広い人だと分りました。
奥さん、娘さん、お孫さん、それぞれの立場で正敏さんの思いに導かれていく。娘さんが「亡くなってから親を知る」と言われたこと、私も父(先代住職)を昨年亡くしよくわかります。「死んだら終わり」と皆さん言いますが、故人は仏となり私たちに働きかけてくれている。それがあるから、強く心豊かに歩めるのではないでしょうか。
🙏お仏壇のある生活はいかがですか
→文子さん
朝晩のお参りをして一日の願いを感謝を伝えています。

→娘さん
ずっとお仏壇のある生活を送ってきたので、家族みんな、お仏壇にお参りするのが当たり前になっています。毎朝、家族が元気で過ごせるようにとお願いをしています。手を合わせてお参りすると心が落ち着き、お線香の香りも大好きです。
→お孫さん
いつでもおじいちゃんに会えるので何かある度にお願いや報告をしています。
🙏お寺とのご縁が近くなってお寺のイメージは変わりましたか、また、メッセージ等ありましたらおねがいし
ます。
→文子さん
お寺とゆうと近寄りがたい所だと思っていましたが、住職さんの人柄にひかれ、足が軽くお参りや行事への参加ができるようにうなりました。
これからも娘や孫の代も世代を超えてよろしくお願いします。
→娘さん
父の葬儀をきっかけにお寺にお伺いする機会が増え、いつでも行ける場所に変わりました。ご住職さんやご家族の方の優しいお人柄に和まされます。
まだまだ母に頼ってばかりですが、少しずつ後姿を見て学んでいけたらなと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
→お孫さん
初めは固く重いイメージがありましたが、縁が近くなりお寺の事を知る機会も増えてとても身近なものになりました。
コロナの影響や核家族化が進み人と人との縁が薄れる中で自分も含め、家族の世代を繋げて行けたらなと思います。
宗教・仏教離れと言われる時代の中で、心強いお言葉いただきました。先代からお寺を預かり自問自答の中で勤めていますが、人々が出会い寄り添えるお寺でありたとの思いの中でこれからも勤めていきます。
「大切な人との別れは、仏になられた人との出会」、それは故人が残してくれた仏教との出会いの宝。それを大切に伝えていきたいです。
和やかなインタビューも終わり、最後にお仏壇の前で正敏さんの写真も交え皆さんで写真を撮りました。インタビューに快く応じてくださったお礼を伝えると、文子さんが「主人もきっとよろこんでいます」と笑ってくださいました。ありがとうございました。